=NEWSポストセブン(2012/07/15)より=
ツイッターで火が付いた「小さな雑誌」がネットで大きな話題になっている。7月10日に発売になった朝日新聞社発行の月刊誌「Journalism」7月号だ。元々はジャーナリズム研究者など「玄人」向けの雑誌がなぜ話題になったのか。ノンフィクションライターの神田憲行氏が紹介する。
月刊誌「Journalism」は公称約2000部、都内の書店でも10店しか置いていないというミニコミ誌のような雑誌だ。編集部によると主な読者は「ジャーナリズム研究者か研究機関」という。内容は報道とニュースを巡る諸問題で、主な書き手は朝日新聞の記者たち。たしかに”業界ネタ”が多く、一般読者はなかなか手を取らないだろう。
話題になったきっかけは、同社の特別報道部に所属する奥山俊宏記者による「福島原発事故 報道と批判を検証する」という記事。6月号からの続き物で7月号では「下」となっているのだが、「事実に基づかない批判」という小見出しのあとで、自由報道協会代表の上杉隆氏のメディア批判について、反論しているのだ。
よく知られているとおり、上杉氏は記者クラブの閉鎖性から端を発して既存メディア(主に新聞)に批判を繰り広げてきた。それに対してツイッターなどで朝日新聞の記者などが反論を試みたケースはあるが、同社の記者が自社媒体という公の場で、正面切って反論したのはこの記事が初めてではないだろうか。
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